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癒しの杜 にしかわクリニック
癒しの杜にしかわクリニック理事長 西河潤は
点滴療法研究会認定 高濃度ビタミンC点滴療法認定医です。
ビタミンCは水溶性ビタミンの1つです。実は肌ケア以外にも大切な役割をもっている、人体になくてはならない必須栄養素です。
多くの哺乳動物は、体内でビタミンCを合成することができますが、人類は進化の過程でその力を失ってしまったため、外から摂取するしかありません。
特にストレスがかかったときや感染症にかかったとき、がんになったときなどは、普段よりよりたくさんのビタミンCが必要になることがわかってきています。
ですが、食物の経口からの摂取では、吸収が悪く、水に溶ける性質のためすぐに排出されてしまいます。
癒しの杜にしかわクリニックでは、効果の高いビタミンCのサプリと点滴療法を取り入れています。
体内に活性酸素が増えすぎると、正常な細胞を攻撃し、がんの原因となったり、肌のシミ・しわなどの老化現象、血管の中に酸化LDLが増えることにより動脈硬化などの生活習慣病が引き起こされます。
ビタミンC(L-アスコルビン酸)は、これらの体を錆びさせる要因である活性酸素を消去してくれます。
ビタミンCはコラーゲンの3重らせん構造を形成するための酵素反応に必要なFe2+(還元型鉄イオン)の補因子として働きます。
ビタミンCが欠乏するとお肌のキメが粗くなり、骨粗鬆症が進み(骨の20%、軟骨の50%はコラーゲンでできています)、毛細血管がもろくなります。
ビタミンCを適切に摂り入れることで、コラーゲンの3重らせん構造が適切に形成されて、キメの細かい肌を作り、骨粗鬆症の予防となり、そして丈夫な毛細血管を形成することにつながります。
ビタミンCは体内では副腎に最も多く存在しています。
それは、副腎でドーパミンからノルアドレナリン、およびアドレナリンが生成される酵素反応においてビタミンCが補因子として必要であるからです。
ビタミンC不足で血管が脆くなる壊血病は、初期症状としてうつ症状が出現します。それは、アドレナリン不足が原因の可能性があります。
心理的、身体的なストレスに対して抵抗力がない方や、副腎疲労と考えられる方にもビタミンCの摂取または点滴が有効であると考えられます。
カルニチンといえば、ダイエットでお馴染みの物質です。
脂肪酸がミトコンドリアに運ばれて代謝されるには、脂肪酸はカルニチンと結合する必要があります。
ビタミンCはカルニチン合成において補因子として必要な物質です。
ダイエットサプリとしてカルニチンが販売されていますが、ビタミンCをきちんと取り入れてカルニチンを適切に合成した方が、脂肪が燃焼しやすい体にすることができます。
ビタミンCは体にとってとても大切な役割を果たしてくれています。
当院ではビタミンCのサプリとしてリポカプセルビタミンCを取り扱っています。
ビタミンCは口から摂ると血中には2,3割しか移行しないのですが、このサプリは高品質なリポカプセルでビタミンCを包むことで、高い血中濃度を維持することができるようになっています。
当院では以下の2種類のビタミンC(L-アスコルビン酸)のいずれかを点滴に使用しています。
① Mylan社製 L-アスコルビン酸(点滴療法研究会推奨;アイルランド工場で製造)
②国際集学的治療学会提供 アスコルビン酸ナトリウム(国産)
①②共に防腐剤を含まず、冷蔵で輸送・管理されている安全性と品質の高いビタミンCとなります。
フソー社の「アスコルビン酸注射液2g」は用いておりません。防腐剤としてピロ亜硫酸ナトリウムとチオグリコール酸ナトリウムが添加されているのですが、これは2アンプルを超えて一度に使用すると安全投与量を超えてしまい、アレルギー反応を生じてしまう可能性があります。
※日本食品分析センターによる分析
※現在、高濃度ビタミンC点滴療法で使用されている製品は、主にアスコルビン酸またはアスコルビン酸Naを原料としています。
リポカプセルビタミンC 30包 7,700円(税込)
ビタミンCの量 | 点滴時間 | 料金(税込) |
---|---|---|
12.5g | 40分 | 6,000円 |
25g | 60~70分 | 9,500円 |
50g | 90~100分 | 17,000円 |
62.5g | 100~120分 | 19,000円 |
75g | 120~150分 | 21,000円 |
5,000円(税込)
※2023年12月以降より、ビタミンC25gの点滴を受けられる前に、事前にG6PD検査費用(7,000円)と採血代がかかります。
採血代については健診結果などをご持参頂ければ省くことが可能です。
①がん細胞の周りと内部に過酸化水素を作り出し、選択的にがん細胞を攻撃する
②がん細胞が増えるために必要な新しい血管の増殖を抑制
③がんの病巣においておこる、低酸素状態を改善するための誘導たんぱく質であるHIFの発現を抑制し、遺伝子の転写を阻害する
④がん細胞の周りをコラーゲン被膜で封じ込める
⑤がん細胞の分化を抑制する
※④⑤は点滴療法研究会会長柳澤厚生先生のご講義より
がん細胞が増殖するためには、豊富な栄養と酸素が必要です。
ビタミンCは、がん細胞への栄養と酸素の供給を遮断し、増殖を抑制、さらにがん細胞自体も直接攻撃します。
高濃度ビタミンC点滴の抗がん作用の機序として一番重要なのは、①の過酸化水素を生成してがん細胞を選択的に攻撃してくれる働きです。
ビタミンCは基本的には相手に電子を供給する強い還元作用を持ち、活性酸素を除去してくれます。
しかし、50g以上を点滴する高濃度ビタミンC点滴では、それとは逆に酸化促進の作用をすることがわかっています。
血液中でビタミンCが高濃度になると、腫瘍の周りの間質液にも高濃度のビタミンCが移行します。その間質液でビタミンCは酸化されて1個の電子を失って、過酸化水素が生成されます。過酸化水素はがん細胞の細胞膜を容易に透過してがん細胞の中に入ります。
多くのがん細胞ではカタラーゼやグルタチオンペルオキシダーゼなどの抗酸化酵素が少ないため、過酸化水素によりがん細胞内でミトコンドリアが障害を受けてATP産生が減少し、がん細胞のアポトーシス(細胞死)が誘導されます。
なお、正常な細胞は十分な抗酸化酵素を持っているため過酸化水素を無毒化することができます。
この作用により、高濃度ビタミンC点滴によって選択的にがん細胞を攻撃することができます。
がんに対するビタミンC点滴は、腫瘍サイズが非常に多くなってがん細胞が密集してる状態では効きが悪くなるようです。
前癌状態の改善や、再発予防、がんのサイズが小さい時に受ける方が効果がよいと思われます。
ある高濃度ビタミンC点滴を実践しているクリニックの先生は、子宮頚がんの異形成レベル(前がん状態)だと25-50gのビタミンC点滴で結構な頻度で異形成が改善しているとおっしゃっていました。
ビタミンCは化学療法と併用することで、化学療法の効果を高め、化学療法の副作用を減らすことがわかっています(2010年のカンザス大学での基礎研究より)(※)。
化学療法と併用する場合は当日に併用することが理想的ですが、それが難しい場合は化学療法の前日と翌日に投与するのが効果的です。
高濃度ビタミンC点滴を化学療法と併用する際の安全性は国内でも確認されています。
ただし、メトトレキサートとベルケイドとの併用は禁忌です。
それ以外の抗がん剤との併用は問題ありません。
ビタミンCの量 | 点滴時間 | 料金(税込) |
---|---|---|
12.5g | 40分 | 6,000円 |
25g | 60~70分 | 9,500円 |
ご希望の方は、お気軽にお問い合わせください。
<本ページの参考文献>
Carr, AC and Cook.J "Intravenous vitamin C for cancer therapy–identifying the current gaps in our knowledge." Frontiers in physiology (2018): 1182.
『薬理学的アスコルビン酸濃度が選択的にがん細胞を死滅させる:過酸化水素を組織に供給するプロドラッグとしての作用。』
Chen Q et al. Pharmacologic ascorbic acid concentrations selectively kill cancer cells: action as a pro-drug to deliver hydrogen peroxide to tissues. Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Sep 20;102(38):13604-9
Kawada, Hiroshi, et al. "High concentrations of L-ascorbic acid specifically inhibit the growth of human leukemic cells via downregulation of HIF-1α transcription." PLoS One 8.4 (2013): e62717.
Reczek, Colleen R., and Navdeep S. Chandel. "Revisiting vitamin C and cancer." Science 350.6266 (2015): 1317-1318.
Cimmino, Luisa, et al. "Restoration of TET2 function blocks aberrant self-renewal and leukemia progression." Cell 170.6 (2017): 1079-1095.
Magrì, Alessandro, et al. "High-dose vitamin C enhances cancer immunotherapy."(高用量のビタミンCはがん免疫療法を増強する) Science Translational Medicine 12.532 (2020): eaay8707.
Kawada, Hiroshi, et al. "Phase I clinical trial of intravenous L-ascorbic acid following salvage chemotherapy for relapsed B-cell non-Hodgkin’s lymphoma." Tokai J. Exp. Clin. Med 39.3 (2014): 111-115.
Takahashi, Hidenori, Haruyoshi Mizuno, and Atsuo Yanagisawa. "High-dose intravenous vitamin C improves quality of life in cancer patients." Personalized Medicine Universe 1.1 (2012): 49-53.